――どうしてヒーローをやろう! なんて思い至ったんですか?
もちろん好きだったってのはありますよね。小さい頃から日曜朝の戦隊とライダーは観てましたし、秋田ではいちばんメジャーな『超神ネイガー』の活躍も見てきましたから。やっぱりそういうところがベースにはなってますね。
小学5年の頃からお盆の「白沢獅子踊り」に参加してるんですけど、年々参加者が少なくなってきてるんですよ。少子化も進んでますし、高校を卒業した若い人が大館を出て行ったりもするし…。
地元の祭りとか踊りとか、思い入れがあるじゃないですか。そういうのに目を向けてもらいたいっていうのが第一ですね。
子供たちの目を引いて、子供が真似をしたくなるようなヒーローなんかがいたら、子供も、その親御さんたちも巻き込んで、地元の伝統行事に参加してくれるようになるんじゃないかって思いまして。
――計画の第一歩はどんな感じだったんですか?
2016年の9月くらいでしたね。まだ高3でしたけど。商工会っていろいろイベントを企画されたりしているので、そちらの代表アドレスに、やりたいことを書いたメールを送りました。塚田さんという方から返信をいただいて、そこからいろいろ動き出しました。
デザイナーとかカメラマンとか声かけていただいて、商工会のみなさんにも協力していただきながら準備を重ねて、ついに2017年7月30日にお披露目になりました。
――周囲の反応はどんな感じだったんでしょう?
家族は最初、「何言ってんの? アタマおかしくなったんでないの?」って感じでしたよ。その後「商工会の人と打ち合わせしてきた」とかそういう感じでプロジェクトを進めていくにつれて、自然と理解されるようになってきましたね。
高校の友人には特に言ってなかったんです。でもプロジェクトが始まると、メシ行こうぜ! とかゲーセン行こうぜ! なんて言われても「ごめん、打ち合わせで行けない…」ってなったりするんで「お前、何かやってんの?」って感じでバレました(笑)。まあ当初は笑い話みたいな感じで、実際にできるとは思ってもらえてなかったみたいですけどね。
社内でも特に公言はしてなかったんですけど、先日新聞に載ったので、その日に出勤したら「あ、ヒーローだ」と言われました(笑)。あっさり受け入れてもらえたようです。
――「コウライザー」って名前はどのようにして決まったんでしょう?
ひらめきですね。光ある未来を作ろうってことで。
――そのほかに何か狙いとかありますか?
そうですね… 自分は会社勤めで仕事をこなしながら、ヒーロー活動したい! と声をあげました。その結果、多くの人に応援してもらって今こうしてデビューまでこぎつけました。一人じゃなく、みんなで作り上げたヒーローなんです。
自分がこういう活動をしているというだけじゃなくて、「プライベートでこんなことがしたい!」と声をあげれば応援してくれる人たちが集まってきてくれるんだ、っていうのを見てもらいたいというのはあります。仕事とプライベートのバランスを取りながら、楽しく暮らしていけるんだという証明というか事例というか。
――今後はどのような活動をしていきたいですか?
まだ走り始めたばかりなのであまり具体化していないところも多いんですが、まずは市内の伝統行事に参加させてもらったり、ステージでは子供たちと一緒に踊れるようなダンスとか、太鼓とのコラボとか…。
もちろん将来的にはアクションショーができたらな、とは思いますけど、今の段階ではまだ早いなと。
ヒーローとしての活動を成功させるというのは二の次。伝統行事を未来につなげるのが第一の目的ですね。地域社会貢献型ヒーローです(笑)。大館から県北、そして秋田全体まで広げられるといいですね。かなりの年数かかるかもしれませんが、期待して見ていてほしいです!